読書のお悩み相談室

読書に関するお悩み相談や読んだ本の記録などを書いています。

評論

【感想】堀川恵子(著)『永山則夫・封印された鑑定記録』を読む。

現在では裁判の基準にもなっている永山則夫。このドキュメンタリーの著者は封印されていた鑑定記録を掘り起こし、永山則夫の父親、母親の歴史まで遡って私たちに教えてくれます。貴重な文献です。

島田明男(著)『昭和作家論(田中英光)』を読む。

小説家、田中英光の名前を知っている人はそんなに多くはないでしょう。私も皆さんがご存知の太宰治のスナックのカウンターで右足をあげている有名な写真を撮ったカメラマン、林忠彦の写真集『文士の時代』に出会うまで、全く知りませんでした。 田中英光は林…

島田明男(著)『昭和作家論(太宰治)』を読む。

太宰治の小説が戦時中に全文削除、つまり発禁処分になったことは知りませんでした。昭和17年の『花火』です。一応は「一作限り」という処分でした。その理由は太宰の言葉によると「不良のことを書いたから」でした。 この時代の処分は現代では考えられないく…

吉本隆明(著)『定本 言葉にとって美とはなにか』を読む。

吉本隆明の有名な著作ですので、読みたかった本です。吉本隆明の考え方は少しの著作を読んだだけですが、私に合ってるような気がするのです。しかも興味のある言語学の分野ですので早速読み始めたのですが、そう簡単ではないことがすぐにわかりました。今こ…

シュタイナー(著)『自由の哲学』を読む。

シュタイナーの本は何冊か読んだことがあるが、どれも難しくて理解するのに時間がかかった。これらの著作の原点と位置づけされているのがこの『自由の哲学』。著者が32歳の時。1894年の初版だが、この文庫本は1919年の新版に従っている。 著者は人間の自由と…

吉本隆明(著)『読書の方法』を読む。

吉本隆明の書く文章は一読、二読したくらいでは分からない。たぶん何年たっても分からないだろう。よくよく考えてみると、当たり前のことを難しく書いているからだろうと思うようになった。しかし。実はこのことは重要な点で、不安定な言葉で不安定な別の言…

宇野邦一(著)『ジュネの奇蹟』を読む。

日本のフランス文学者によるジャン・ジュネに関する評論。著者が日本人だからこそ私たちが知ることができるジュネと日本との関わりがとても興味深い。 ジュネが日本を訪れたのは1967年。ビートルズが日本に来た翌年のことだ。ジュネはその時初めて日本語を聞…

サルトル(著)『聖ジュネ』を読む。

とうとうサルトルの『聖ジュネ』の読後感想を書くことになった。ネットで探してもこの本の感想は極めて少なく、私の文章が公開されて読まれることを想像すると少し緊張している。 上下巻二冊を重ねて測ってみると五センチ。ページをめくると内容は哲学書で、…

岩渕悦太郎(編著)『悪文 伝わる文章の作法』を読む。

私たちにとって日本語は日常で使っているので特別に勉強しなくてもよいと思う人がいるかもしれません。しかし、効果的な伝え方や誤解を与えない表現方法を知っていると、心を落ち着けて話したり書いたりすることができるようになります。 ​特にネットに発表…

吉本隆明(著)『言葉からの触手』を読む。

積読の平均時間(それは日数か月数か年数かはともかく)があるのなら、私の場合は結構長いと思う。なぜなら読み終わったほとんどの本は人に譲り渡しているからだ。つまり「本の存在が不在」になるようにしている。もちろん収納スペースの関係が主な理由だが…

沢木耕太郎(著)『檀』を読む。

この沢木耕太郎の『檀』は檀一雄の妻、檀ヨソ子さんから見た檀の姿が描かれている。沢木耕太郎はドキュメンタリー作家だから、文章が簡素でとても読みやすくなっている。 檀一雄の『火宅の人』を読んだ感想に、私は「檀は稼がなければならなかった」と書いた…

魚住昭(著)『野中広務 差別と権力』を読む。

今は亡き政治家、野中広務は2003年の引退の会見では「今も一日100人の日本人が自分の意思で、自らの命を絶っている。日本は戦前の道を歩もうとしている」と語っている。 野中広務は被差別部落出身だ。しかし、その事実を隠さずに権力の中枢(自民党幹事長)…

 緊急出版!『枝野幸男、魂の3時間大演説』を読む。

緊急出版されると聞いてすぐに注文した『枝野幸男、魂の3時間大演説』を読んだ。一番に感じた事はわかりやすいこと。多くの場合、演説そのものが分かりにくい、文字にするとなおさら理解できない。それは文字にするときに編集を行うからだ。しかし、この本は…

太田治子(著)『万里子とわたしの美術館』を読む。

時間がある時には本を読むことにしている。最近は若いときにはあまり読まなかった小説を中心に読んでいる。 今年は太宰治没後70年なのだそうだ。太宰の小説も読んでいるようで、読んでいないし、太宰の生涯も詳しくは知らない。そもそも、なぜ38歳で愛人と玉…

鴻上尚史著『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』を読む。

日本の外交が揺れている。憲法9条の絶対的平和主義は空想であり、世界の戦争状態を鑑みる時、あまりにも理想的すぎ、逆にPKOで派遣される自衛隊員の安全の妨げになると言う理論がある。北朝鮮のミサイルが頭上を飛び、Jアラートが鳴り響く時代にあって「確か…

『北村透谷選集』を読む。

私の場合、この本がどういう理由で今自分の手元にあるのか、いつ購入したのか分からなくなることがある。ネットや雑誌で読んだ本のタイトルや著者に共感して購入したのであろうが、それがわからないのだ。ある日突然、書棚にある本に目が行き、読み始める。…

宇沢弘文著 『人間の経済』を読む

私たちが生きているこの時代、経済からまったく切り離された環境で生活するのは世捨て人でなければ不可能だろう。表面では人の為と言いながらも、多くの経済人の目的が企業資本の増大や自己利益の確保であることは腹の底からものを言えば分かり切ったことで…

内田樹著『日本辺境論』を今更ながら読む。

八年も前に書かれた新書版は時代遅れであると、取らない人もいるだろうが、書いてある情報は未知の場合がほとんどだから、目に止まった本は手に取り、その時の感覚に合えば読み進めるべきである。2010年発行の内田樹著『日本辺境論』を今更ながら読む。 「は…

ヒポクラテスの『古い医術について』を読む。

医学関係者でもない私の手元にどうしてこの本があるのか、どこかの本に「読むべき本」とあったものを注文したのであろう。ヒポクラテスは紀元前460年〜350年の人。90歳まで長生きしたと言われている。イエス・キリストが生まれる400年も前のことである。同時…

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