読書のお悩み相談室

読書に関するお悩み相談や読んだ本の記録などを書いています。

日本文学

【感想】 川端康成『眠れる美女』についてみんなどう思っているのかな?

三島由紀夫が、ドナルド・キーンが絶賛した『眠れる美女』📌みんなはこの独特な小説についてどう思っているのか調べてみました。

【感想】志賀直哉の『網走まで』を読む

志賀直哉の短編『網走まで』は明治41年、志賀直哉が26歳の時の作品です。有名な『白樺』の創刊号に掲載されました。志賀直哉の小説から学ぶ「真の芸術」とは?

【追悼】ドナルド・キーンさんの「真摯さと謙虚さ」を学ぶ。

ドナルド・キーンさんが亡くなりました。96歳でした。日本文学が大好きな日本人のひとりとして、ドナルド・キーンさんの真摯さと謙虚さを学び、より一層、読書の魅力を伝えていこうと決意を新たにしました。ご冥福をお祈りいたします。

島田明男(著)『昭和作家論(田中英光)』を読む。

小説家、田中英光の名前を知っている人はそんなに多くはないでしょう。私も皆さんがご存知の太宰治のスナックのカウンターで右足をあげている有名な写真を撮ったカメラマン、林忠彦の写真集『文士の時代』に出会うまで、全く知りませんでした。 田中英光は林…

島田明男(著)『昭和作家論(太宰治)』を読む。

太宰治の小説が戦時中に全文削除、つまり発禁処分になったことは知りませんでした。昭和17年の『花火』です。一応は「一作限り」という処分でした。その理由は太宰の言葉によると「不良のことを書いたから」でした。 この時代の処分は現代では考えられないく…

吉本隆明(著)『定本 言葉にとって美とはなにか』を読む。

吉本隆明の有名な著作ですので、読みたかった本です。吉本隆明の考え方は少しの著作を読んだだけですが、私に合ってるような気がするのです。しかも興味のある言語学の分野ですので早速読み始めたのですが、そう簡単ではないことがすぐにわかりました。今こ…

田中英光(著)『さよなら』を読む。

私の残された人生の中でどれだけの文学者に出会うことができるだろうか……。知らない作家がまだたくさんいる。そしてまだ出会ったことがない作家は、何に悩み苦しみ、どのような生き方をし、なぜ死んでいったのか。 今のこの伝達スピードの速い時代に、ただ広…

吉本隆明(著)『読書の方法』を読む。

吉本隆明の書く文章は一読、二読したくらいでは分からない。たぶん何年たっても分からないだろう。よくよく考えてみると、当たり前のことを難しく書いているからだろうと思うようになった。しかし。実はこのことは重要な点で、不安定な言葉で不安定な別の言…

林忠彦(著)『写真集・文士の時代』を読む。

もう平成も終わり。 大正生まれの人たちは百歳になろうとしている。 言葉は時代とともに変化する。「文士」という言葉を使う人はもういない。また、この写真集の作者、の名前も知らないだろう。作者が「あとがき」に書いたアプレゲールという言葉は辞書を引…

徳冨蘆花(著)『みみずのたはごと』を読む。

昨年のNHKの大河ドラマは「西郷どん」でした。明治維新の大きなエネルギーを支えたのは地方の青年たちです。日本が世界に歩み出すことができたのは、西洋の技術や仕組みを速やかに吸収し、自国に根付かせたことが大きな要因でしょう。多くの青年が同じ方向を…

岩渕悦太郎(編著)『悪文 伝わる文章の作法』を読む。

私たちにとって日本語は日常で使っているので特別に勉強しなくてもよいと思う人がいるかもしれません。しかし、効果的な伝え方や誤解を与えない表現方法を知っていると、心を落ち着けて話したり書いたりすることができるようになります。 ​特にネットに発表…

吉本隆明(著)『真贋』を読む。

吉本隆明の本は難しいという印象があるので、このような大衆向け雑誌風の文庫に正直びっくりした。 順次見ていこう。 吉本隆明は人の意表をつく書き方が常だ。その点を念頭に置いて……。 今でもSNSで「日々を明るく過ごしましょうと」呼びかける人がいるが、…

佐藤春夫(著)『厭世家の誕生日』を読む。

日本の純文学を読んでいると、ときどき佐藤春夫の名前が出てくる。最近読んだ本では壇一雄の『家宅の人』に出てきた。佐藤春夫という作家はどのような人物で、どんな小説を書いているのだろうと興味を持ったので、この『厭世家の誕生日』という奇妙なタイト…

吉本隆明(著)『言葉からの触手』を読む。

積読の平均時間(それは日数か月数か年数かはともかく)があるのなら、私の場合は結構長いと思う。なぜなら読み終わったほとんどの本は人に譲り渡しているからだ。つまり「本の存在が不在」になるようにしている。もちろん収納スペースの関係が主な理由だが…

有島武郎(著)『『生れ出ずる悩み』を読む。

『生れ出ずる悩み』という書名は知らない人がいないと思うくらいですが、実際に読んだことがある人は少ないのではないでしょうか。それはもうこの時代に大正初期の純文学を読もうとする若者は少なくなってしまったからでしょう。しかしこの短い小説には日本…

有島武郎(著)『小さき者へ』を読む。

有島武郎の妻、安子は陸軍大臣の娘。明治四十二年に有島が三十歳のときに結婚した。安子は三人の息子を産むが、大正五年八月、隔離されていた平塚海岸で結核のため死亡した。三人の息子は、六歳、五歳、四歳だった。享年三十八。結婚生活はわずか八年だった…

国木田独歩(著)『源叔父』を読む。

国木田独歩の短編集『武蔵野』に掲載されている処女作『源叔父』を読む。叔父はその後は「おぢ」と表記されるが、この場合は親戚の叔父ではなく「一人の男」の意味になる。 舞台は大分県佐伯市の漁村。国木田はこの地の教師として赴任した。1893年のことであ…

国木田独歩(著)『忘れえぬ人々』を読む。

世の中には色々な種類の小説があります。私も最初は三浦綾子のキリスト教的誠実さと強靭さに憧れて読んだこともありました。つまり主人公が強い意志で人生を切り開いていく物語です。しかし、それでは物足らなく感じるようになりました。私はあまりサスペン…

川端康成(著)『古都』を読む。

この文庫本には珍しく作者、川端康成自身の「あとがき」がついています。私は小説の背景を知りたいためにこのあとがきや解説を先に読むようにしているのですが、川端自身が 眠り薬に酔って、うつつないありさまで書いた。眠り薬が書かせたようなものであった…

森鴎外(著)『雁』を読む。

積読の本の中から森鴎外の『雁』を読みました。「がん」と読みます。 正直、通して読んでも結局この小説は何がテーマだったのか、私にはさっぱりわからないのです。一つ一つのエピソードが結構面白いので、引き込まれてしまいますが、通しての感想となると難…

有島武郎(著)『クララの出家』を読む。

この小説の冒頭に、有島武郎は次の文章を載せています。 これは正しく人間生活史の中に起こった実際の出来事の一つである。 クララは13世紀の初め、イタリアのアッシジに実在した少女です。 実は今知ったことですが、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』の主人公…

有島武郎(著)『カインの末裔』を読む。

有島武郎の小説を初めて読みました。『カインの末裔』です。 私はなぜこの本を手に取ったのか。それは、このカインという言葉がヘルマン・ヘッセの『デミアン』の大きなテーマになっていたからです。いったいカインとは何者なのか……。 それは調べればすぐに…

倉本聰の脚本『駅 Station』を読む。

「今、脚本を読んでいます」と話すと、どんなに読書好きな人でもびっくりされます。脚本を読んでみようと思った理由は次のようなものでした。 私は以前より太宰治が『斜陽』の着想を得たことで有名な、チェーホフの戯曲『桜の園』が読みたかったのです。太宰…

沢木耕太郎(著)『檀』を読む。

この沢木耕太郎の『檀』は檀一雄の妻、檀ヨソ子さんから見た檀の姿が描かれている。沢木耕太郎はドキュメンタリー作家だから、文章が簡素でとても読みやすくなっている。 檀一雄の『火宅の人』を読んだ感想に、私は「檀は稼がなければならなかった」と書いた…

檀一雄(著)『火宅の人』を読む。

私はこの小説を読んで、人間はどんなに暴れまわろうが、どこに隠れようが、所詮、ある時期になると目の前の景色が薄墨色になり、自分の姿は、山水画に描かれる小舟の上で棹差す小さな翁のごとく、目を凝らしてかろうじてわかる状態になってしまうのだと強く…

山崎正和(戯曲)『世阿彌』を読む。

文学が言葉としての文字を使用する限り……、文字を否定したら文学は成立しないのであるから、このような前提はありえないのだが、つまり、この条件は文学である限り……、となる。文学である限り、日本の真の心は描き出せないのかもしれない。 音、姿、色、風………

山崎正和の戯曲『凍蝶』を読む。

本年度(2018年)の文化勲章を受賞された、劇作家の山崎正和さんの処女作の戯曲『凍蝶』を読みました。二十三歳の時の作品です。 短い作品なので、別段この戯曲だけを取り出して感想を書くこともないと思ったのですが、ネットを見ても感想が見つかりませんで…

高見順(著)『如何なる星の下に』を読む。

日本文学と言えば川端康成に代表される、行間を読む、含みのある文章ばかり読んできましたが、この高見順の『如何なる星の下に』には、そのすっきりした日本の文章ではなく、ねちねちとした文章が並びます。 しかし、それもまた本当の日本の姿、特に浅草など…

小川国夫(著)短編集『アポロンの島』を読む。

昨日、Twitterを見ていたら、「どうしたらもっと早く読めるようになりますか? 読みたい本がたくさんあるのです」という質問がありました。小川国夫や永井龍男の作品は、とても速読なんてできません。それどころか二度、三度と読み返さなければ、その良さがわ…

太宰治(著)『正義と微笑』を読む。

今日の昼のことでした。会社の事務所で、先代の社長の奥さんが、「今朝、チャンネルを変えたら、途中で教育テレビが映って、めずらしく太宰治をやっていたわ」と話しかけました。途中で映ってというところが、日頃は教育テレビなんて見ませんよ、って強調し…

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