読書のお悩み相談室

読書に関するお悩み相談や読んだ本の記録などを書いています。

小説

【感想】 川端康成『眠れる美女』についてみんなどう思っているのかな?

三島由紀夫が、ドナルド・キーンが絶賛した『眠れる美女』📌みんなはこの独特な小説についてどう思っているのか調べてみました。

【感想】志賀直哉の『網走まで』を読む

志賀直哉の短編『網走まで』は明治41年、志賀直哉が26歳の時の作品です。有名な『白樺』の創刊号に掲載されました。志賀直哉の小説から学ぶ「真の芸術」とは?

【感想】ヘルマン・ヘッセの短編集『メルヒェン』より『詩人』を読む。

祖父母が生まれた村 自然と溶け合う 『詩人』が書かれた時代 メルヒェンの意味 祖父母が生まれた村 私の祖父母が生まれたのは九州山脈の奥、川に沿って、国道がS字を描きながら奥に伸びていました。 村のバス停からまた細い道を右に左に折り重ねながら登り…

ジョルジュ・サンド(著)『愛の妖精』を読む。

ジョルジュ・サンドの名前は聞いたことがありました。しかし、一冊も読んだことがありませんでした。そもそも、この名前は、男性?女性? ジョルジュとはフランス語でジョージのことなので、この名前は男性の名前です。じゃあ、この人は男性かというと違うの…

トーマス・マン(著)『トニオ・クレエゲル』を読む。

『トニオ・クレエゲル』という書名は人物の名前です。トニオはその音の並びが少し日本語の名前のようでもあります。有名な作家はこのトニオという名前を自分の名前にしています。北杜夫です。トニオ→杜夫です。北杜夫はこの小説の作者トーマス・マンの大ファ…

ドストエフスキー(著)『罪と罰』を読む。

『罪と罰』の感想を書くことはとても難しいです。何が難しいのでしょう。それはこの小説をどのように読むかによって大きく変わってくるからです。 刑事コロンボのような探偵物としてどのように犯人を追い詰めるかを考えながら読むこともできます。その一点だ…

田中英光(著)『さよなら』を読む。

私の残された人生の中でどれだけの文学者に出会うことができるだろうか……。知らない作家がまだたくさんいる。そしてまだ出会ったことがない作家は、何に悩み苦しみ、どのような生き方をし、なぜ死んでいったのか。 今のこの伝達スピードの速い時代に、ただ広…

林忠彦(著)『写真集・文士の時代』を読む。

もう平成も終わり。 大正生まれの人たちは百歳になろうとしている。 言葉は時代とともに変化する。「文士」という言葉を使う人はもういない。また、この写真集の作者、の名前も知らないだろう。作者が「あとがき」に書いたアプレゲールという言葉は辞書を引…

徳冨蘆花(著)『みみずのたはごと』を読む。

昨年のNHKの大河ドラマは「西郷どん」でした。明治維新の大きなエネルギーを支えたのは地方の青年たちです。日本が世界に歩み出すことができたのは、西洋の技術や仕組みを速やかに吸収し、自国に根付かせたことが大きな要因でしょう。多くの青年が同じ方向を…

佐藤春夫(著)『厭世家の誕生日』を読む。

日本の純文学を読んでいると、ときどき佐藤春夫の名前が出てくる。最近読んだ本では壇一雄の『家宅の人』に出てきた。佐藤春夫という作家はどのような人物で、どんな小説を書いているのだろうと興味を持ったので、この『厭世家の誕生日』という奇妙なタイト…

有島武郎(著)『『生れ出ずる悩み』を読む。

『生れ出ずる悩み』という書名は知らない人がいないと思うくらいですが、実際に読んだことがある人は少ないのではないでしょうか。それはもうこの時代に大正初期の純文学を読もうとする若者は少なくなってしまったからでしょう。しかしこの短い小説には日本…

有島武郎(著)『小さき者へ』を読む。

有島武郎の妻、安子は陸軍大臣の娘。明治四十二年に有島が三十歳のときに結婚した。安子は三人の息子を産むが、大正五年八月、隔離されていた平塚海岸で結核のため死亡した。三人の息子は、六歳、五歳、四歳だった。享年三十八。結婚生活はわずか八年だった…

国木田独歩(著)『源叔父』を読む。

国木田独歩の短編集『武蔵野』に掲載されている処女作『源叔父』を読む。叔父はその後は「おぢ」と表記されるが、この場合は親戚の叔父ではなく「一人の男」の意味になる。 舞台は大分県佐伯市の漁村。国木田はこの地の教師として赴任した。1893年のことであ…

国木田独歩(著)『忘れえぬ人々』を読む。

世の中には色々な種類の小説があります。私も最初は三浦綾子のキリスト教的誠実さと強靭さに憧れて読んだこともありました。つまり主人公が強い意志で人生を切り開いていく物語です。しかし、それでは物足らなく感じるようになりました。私はあまりサスペン…

川端康成(著)『古都』を読む。

この文庫本には珍しく作者、川端康成自身の「あとがき」がついています。私は小説の背景を知りたいためにこのあとがきや解説を先に読むようにしているのですが、川端自身が 眠り薬に酔って、うつつないありさまで書いた。眠り薬が書かせたようなものであった…

森鴎外(著)『雁』を読む。

積読の本の中から森鴎外の『雁』を読みました。「がん」と読みます。 正直、通して読んでも結局この小説は何がテーマだったのか、私にはさっぱりわからないのです。一つ一つのエピソードが結構面白いので、引き込まれてしまいますが、通しての感想となると難…

ディケンズの『クリスマス・キャロル』を英文で読む。

久しぶりに英語の本を読みました。ディケンズの『クリスマス・キャロル』です。有名な小説なので「私も読みました」と言われる方も多いと思います。 私は初めてでした。ですから、既に読んだことのある本を英語で読んだわけではないのです。最初から手探りの…

有島武郎(著)『クララの出家』を読む。

この小説の冒頭に、有島武郎は次の文章を載せています。 これは正しく人間生活史の中に起こった実際の出来事の一つである。 クララは13世紀の初め、イタリアのアッシジに実在した少女です。 実は今知ったことですが、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』の主人公…

有島武郎(著)『カインの末裔』を読む。

有島武郎の小説を初めて読みました。『カインの末裔』です。 私はなぜこの本を手に取ったのか。それは、このカインという言葉がヘルマン・ヘッセの『デミアン』の大きなテーマになっていたからです。いったいカインとは何者なのか……。 それは調べればすぐに…

ヘルマン・ヘッセ(著)『デミアン』を読む。

ヘルマン・ヘッセの小説は日本では『車輪の下』が有名ですが、これは日本だけの現象だそうで、世界ではこの『デミアン』を読む人がたくさんいるのです。第一次世界大戦後の若者たちに長く読み継がれている小説です。 ヘルマン・ヘッセは学生時代に自殺を企て…

ヘルマン・ヘッセ(著)『車輪の下』を読む。

ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』はもうずいぶん長い間、積ん読の状態になっていた。 『車輪の下』というタイトルから受ける印象はどこか牧歌的だなあと、私は勝手に解釈していた。このような感じを受けているのは私だけなのかもしれないと思うと、恥ずかしい…

ゴーリキー(著)『母』を読む。

この本は市立図書館の無料お持ち帰りのボックスの中にあった。ぱっぱと五、六冊ほど取り出した中の、上下二冊。よく見ると表紙に「岩波版ほるぷ図書館文庫」と表記してある。つまりほるぷ出版が図書館向けに売り出した岩波文庫であろう。有難いことに文庫本…

檀一雄(著)『火宅の人』を読む。

私はこの小説を読んで、人間はどんなに暴れまわろうが、どこに隠れようが、所詮、ある時期になると目の前の景色が薄墨色になり、自分の姿は、山水画に描かれる小舟の上で棹差す小さな翁のごとく、目を凝らしてかろうじてわかる状態になってしまうのだと強く…

高見順(著)『如何なる星の下に』を読む。

日本文学と言えば川端康成に代表される、行間を読む、含みのある文章ばかり読んできましたが、この高見順の『如何なる星の下に』には、そのすっきりした日本の文章ではなく、ねちねちとした文章が並びます。 しかし、それもまた本当の日本の姿、特に浅草など…

トゥルゲーネフ(著)『初恋』を読む。

私は、新刊書はほとんど読みません。なぜなら古典と言われている小説はまだまだ無数にあり、読みたい小説がたくさんあるからです。それに何よりも価格が安いからです。世界の(当時の)ベストセラーが一冊百円で読めるのですから、こんなにありがたいことは…

エミール・ゾラ(著)『ナナ』を読む。

この小説の主人公、ナナの母親の物語である『居酒屋』を読んだ後、その迫力に圧倒されて、直後にその続編である『ナナ』を手に取ることができず何週間か過ぎましたが、ようやく読み終わることができました。 それにしても、どうしてみんな「ナナ」が好きなん…

小川国夫(著)短編集『アポロンの島』を読む。

昨日、Twitterを見ていたら、「どうしたらもっと早く読めるようになりますか? 読みたい本がたくさんあるのです」という質問がありました。小川国夫や永井龍男の作品は、とても速読なんてできません。それどころか二度、三度と読み返さなければ、その良さがわ…

太宰治(著)『正義と微笑』を読む。

今日の昼のことでした。会社の事務所で、先代の社長の奥さんが、「今朝、チャンネルを変えたら、途中で教育テレビが映って、めずらしく太宰治をやっていたわ」と話しかけました。途中で映ってというところが、日頃は教育テレビなんて見ませんよ、って強調し…

永井龍男短編集『青梅雨』を読む。

永井龍男の短編の読後感を書くのはとても難しい。きっと私の読み方が悪いのだろうが、一読しただけではその良さがわからない。 二度読んだときに、この言葉や文章ががなぜそこに配置されているのかがぼんやり分かる。三度読んだときに、なぜその言葉を使わな…

小川国夫(著)『海からの光』を読む。

筑紫哲也さんの言葉で「人は出会った人でできている」があります。私の忘れられない言葉です。まさしく出会いこそが人生なのです。 出会いは何も人だけではありません。書物でも大きな起点となることができます。どんな書物に出会うかは、人と出会うよりも書…

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