読書のお悩み相談室

読書に関するお悩み相談や読んだ本の記録などを書いています。

ロシア

ドストエフスキー(著)『罪と罰』を読む。

『罪と罰』の感想を書くことはとても難しいです。何が難しいのでしょう。それはこの小説をどのように読むかによって大きく変わってくるからです。 刑事コロンボのような探偵物としてどのように犯人を追い詰めるかを考えながら読むこともできます。その一点だ…

ゴーリキー(著)『母』を読む。

この本は市立図書館の無料お持ち帰りのボックスの中にあった。ぱっぱと五、六冊ほど取り出した中の、上下二冊。よく見ると表紙に「岩波版ほるぷ図書館文庫」と表記してある。つまりほるぷ出版が図書館向けに売り出した岩波文庫であろう。有難いことに文庫本…

チェーホフの戯曲『桜の園』を読む。

ようやく、私のあこがれであったチェーホフの戯曲『桜の園』を読みました。今まで私が想像していた桜の園、そして多くの日本人が私と同じように考えていた桜の園と、この戯曲の本当の姿はまったく異なっていました。 その最大の原因は、太宰治にあると思いま…

チェーホフの戯曲『ワーニャおじさん』を読む。

「もうやってられないよ」「どうした?」「妹のだんなが、俺んちの土地を売って、株に投資したほうがいいって言うんだ。米や野菜を作っているくらいなら、そのほうが儲かるっんだってよ」「この前、お前んちに引っ越してきた、あの夫婦のことか」「そう、突…

トゥルゲーネフ(著)『初恋』を読む。

私は、新刊書はほとんど読みません。なぜなら古典と言われている小説はまだまだ無数にあり、読みたい小説がたくさんあるからです。それに何よりも価格が安いからです。世界の(当時の)ベストセラーが一冊百円で読めるのですから、こんなにありがたいことは…

チェーホフの短編集を読む。

その時々の気分によって、長編を読み進めるだけの気力を感じない時もある。そんな時は短編集を読むことにしている。 短編集には多くの短編や掌編が掲載されている。この感想を書くときに、短編集全体の感想を書くことがあってもひとつの短編に絞って書く機会…

ドストエフスキー(著)『二重人格』を読む。

ちょっと皮肉っぽく書くと、いつもこうあらねばならない、こうすべきだと、自分自身に強く言い聞かせているとこんなふうに精神を病むかもしれないと、この本を読み終わった後に感じた。 ドストエフスキーの『二重人格』。訳者の小沼文彦氏が、心理学的要素に…

ドストエフスキー(著)『死の家の記録』を読む。

美術にデッサン(素描)があるように、小説にも登場人物の心の動きを描く作品がある。それも一枚の紙に数多くの人物が描かれている。ある者は寝転がり、ある者は膝を抱えて座り込み、ある者は背を丸めて眠る。 そのような人物像が紙いっぱいに描かれているな…

ドストエフスキー(著)『虐げられた人々』を読む。

ドストエフスキーの有名な小説『虐げられた人々』の影の主人公は悪役のワルコフスキー公爵だ。この男は「美男で、財産家で、しかも男やもめで、この最後の点に郡全体の夫人や令嬢は、殊のほか興味を抱いたのである」と表現されている。しかし、「自分に必要…

ツルゲーネフの『猟人日記』を読む。

ロシアの文豪、ツルゲーネフの『猟人日記』を読む。1850年代に発表された短編集である。ツルゲーネフは日本では二葉亭四迷が翻訳したので、明治の初めには日本にも紹介されていた。現代の小説のように奇抜な事件が発生するわけでもなく、最後に種明かしがあ…

ドストエフスキー『貧しき人びと』を読む

十九、二十歳の頃、大学の同級生が畳に座り、壁に背を持たれてしきりに文庫本を読んでいる姿を幾日も見た。「何を読んでいるの」と声をかけると本から目を離さないまま、「ロシアの小説」と答えた。その姿があまりにも印象的だったので(あるいは哲学的だっ…

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