読書のお悩み相談室

読書に関するお悩み相談や読んだ本の記録などを書いています。

【感想】堀川恵子(著)『永山則夫・封印された鑑定記録』を読む。



世の中は「お化け屋敷」です。

お化け屋敷のお化けには、普通の人が入っています。
この普通の人は、実はお化けなのです。
お化けの中に、お化けが入っていて、
そのお化けの中にも、お化けが入っている……

お化けじゃないお化けは、どこにいる?
真実の人はどこにいる?
そんな「もの」はいません。
📌真実の人はお化けなのですから……

 

もしあなたが「一人で」暮らしているのなら、
あなたが離れ小島に住んでいて、他に誰もいないなら、
人はみなお化けだろうがなかろうが、まったく関係ない。
だって、あなたの周りにはいないのですから。

 

しかし、今、あなたが住んでいるのはこの地球。
あなたの周りには、さまざまな人がいます。
📌一番身近な人は親です。
一番遠い人は……
📌この人がお化けだって構わない人
です。

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永山則夫の「父親」は?

その間にたくさんの人が存在します。
その人の環境が変われば、身近な人も変わります。

例えば、あなたが戦場にいるとする。
弾丸が飛び交っている。
右の兵士は爆弾で飛ばされた……
左の兵士も銃弾に当たって倒れた……
自分と、後ろにいる兵士だけが残っている。
そんな状況だと、親よりもこの後ろの兵士の方が近い。


この後ろの兵士が……
(お化けだったら)
どうする?

 

そんなことは思わない。
信じきっている。
📌ところが、実は、お化けだった。
信じきっていた人は、実はとんでもない
お化けだった。

もしあなたが戦場でこのような経験をしたら、
帰国後、誰も信じなくなりますよね。
世の中はお化けだらけだ!
そう強く思って、もう生きる気力も失くします。

実は19歳で4人も殺した、
永山則夫の「父親」は


戦争から帰国して、
やさしくて、仕事熱心だった人が
みんなから慕われていた人が、
戦争から帰ってきて
📌人が変わってしまったのです。
ギャンブルに走り、暴力をふるい、家族は放りっぱなし。

実際は私が想像していることではないかもしれません。
しかし、信じていた人が、とんでもないお化けだった。
そのような状況はたくさんあっただろうと思います。
だからこそ、帰国後の性格が激変したのです。


永山則夫の「母親」は?

話は、永山則夫の「母親」の父と祖父のことです。
場所は利尻島
漁師だった、父と祖父はタラ釣りに出た。
猛吹雪にあって、遭難する。
近くにいた舟に、祖父が叫ぶ。
「せめて婿(永山の母の父)だけでも助けてくれ!」
ところが、
この一番身近な、命の綱の人が
📌実は「お化け」だったのです。
近くにいた舟の人は、
「この綱を切らないと、自分たちが危ない!」
と命の綱を切ってしまったのです。

📌永山則夫の「母親」はいっぺんに父親と祖父を失います。
父と祖母を失ったとき、まだ4歳でした。
母子家庭になった二人は樺太に流れて行きます。
「あの遭難のとき、ロープを切らなかったら……」
と人を恨みながら育っていく……

 

母親は樺太で一人の男と付き合い出す。
その男は幼い彼女を虐待する。
性的な虐待もあったとほのめかしている。
彼女が10歳の時、母親は別の男と付き合い出す。
母親は二番目の男と一緒に青森に帰ってしまう。
彼女が邪魔だったんだ!
📌彼女は捨てられた。
10歳の少女は一人樺太に残される。
料亭で子守をしていた彼女は
料亭の経営者が樺太のまだ北のロシア領の


📌ニコラエフスク

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に移るので、ついていった。
1919年のこと。
実はこの年、ニコラエフスクでは世界史に残る悲惨な事件があった。
ロシア革命赤軍パルチザンがこの街を攻めたのだ。
7000人以上が虐待された。日本人は700人が殺された。
12歳になっていた彼女の命が残ったのは、
まったく偶然でしかない。

彼女は、多感な少女の時代に、
最悪な「お化け」と何回も出会ったのだ。

 

日本に帰国した彼女は青森の母親のところにたどり着く。
彼女の母親と二番目との男の間には子どもが生まれた。
彼女は、その家庭には戻れなくなった。

彼女は青森で若いリンゴ栽培技師と結婚した。
永山則夫の「父親」だ。
とても評判がいい男だった。
📌誰からも慕われ、ハーモニカを吹き、人気者だった。

📌そこに戦争が来た。
昭和19年、父親は出征した……

それから、永山則夫の「父親」がどうなったのか。
それは書いてきました。

 

世の中は本当に「お化け屋敷」なのか?

世の中は本当に「お化け屋敷」なのでしょうか?
何が世の中を「お化け屋敷」にしているのでしょうか?

📌信じていた人に裏切られる。

その一点であるように思えます。
誰も信じない、決して……
殺人者・永山則夫はこうやって生まれた。

 

そうではない方法はないのか?
それは……

  1. 人は環境で変わる。
  2. 人が悪いのではない。
  3. 環境が悪いのだ!

そう思うことかもしれません。

世の中が「お化け屋敷」であるなら、
「お化け屋敷」から出てみよう!
青空が、あなたを待っています。

  

【話題の本】 武田友紀(著)『繊細さんの本 』をKindleで読む。


馴染みのない英単語

最近はあまり馴染みのない英単語を多く見かけるようになりました。
しかも英語のまま。日本語の表記はないのです。
日本語の意味はあるのですが、英語の表記のまま。
その理由は、日本語の定義が定まっていないから。
まだその英単語の意味が一般的になっていないのです。

 

最近よく目にするのは

📌Resilience

です。これは「レジリエンス」と発音します。意味は

📌回復力、復元力、弾力性……という意味です。

Skin Resilience=お肌の弾力

と覚えておくといいでしょう。
つまりストレスを押し戻す力のことです。
ストレスが押す力なら、レジリエンスは跳ね返す力です。
最近、本のタイトルなどでよくこの単語を見かけます。

 

次にこの英単語はそんなに馴染みはないでしょうが、重要な単語です。

📌Vulnerable

これは「ヴァルネラブル」
これは「傷つきやすい」という意味です。
同じような意味では Fragile (取り扱い注意)がありますね。

 

この二つの英単語は実は反義語(反対の言葉)なのです。

📌Resilience <——> Vulnerable

Resilienceは「跳ね返す力」であり、Vulnerableは「へこんでしまう」のです。

さて、この二つの力はどちらが大きい方がいいか?
この答えは決まっていますね。


レジリエンスが強い方がいいに決まっています。

果たしてそうでしょうか。


へこんでしまってもいいんじゃない。

次の動画をご覧ください。
20分くらいのTEDの講演です。英語ですが、右下をクリックすると日本語の字幕が出てきます。
 


The power of vulnerability | Brené Brown
ブレネー・ブラウン:傷つく心の力


📌つまり彼女は「Be Vulnerable」と言っているのです。
意味は「へこんでしまってもいいんじゃない」です。

 

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『繊細さんの本 』について

さて、今回ご紹介する本は『繊細さんの本 』。

副題に📌”「気がつきすぎて疲れるが」驚くほどなくなる”とあります。

冒頭の一行は

この本は、「繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法」を書いた本です。

その次に次の言葉に出会います。

繊細な人が持つ「繊細さ」は、性格上の課題ではなく、生まれ持った気質の可能性が高いからです。背の高い人が身長を縮めることができないように、✔繊細な人が「鈍感になる」「気づかずにいる」ことはできません。生まれつき繊細な人が鈍感になろうとすることは、自分自身を否定することであり、かえって自信や生きる力を失ってしまいます。

 

繊細な人は、むしろ自分の✔繊細な感性をとことん大切にすることでラクになり、元気に生きていけるのです。

 

📌これって、「Be Vulnerable」ってことですよね。
「繊細な気持ちは大事ですよ!大切にしなさいね」
と呼びかけているのです。

 

自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。

 

どのくらいの人が「繊細さん(Vulnerable)」なのか?

 

「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在することがわかってきました。

 

これは結構多いです。人間は恥ずかしい部分は隠しやすいですから、実際はもっと多いかもしれません。

この本にはイラストが豊富ですから、とてもわかりやすいです。

 

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特に次の項目は必見です。

 

「刺激」から自分を守る工夫

 

五感別!回復を早めるケア方法

 

この悩みを抱えていた人は?

最後にこの本と文学とのつながりについて書いてみましょう。

繊細さんの感じる力は、✔人間関係において「相手の感情を察しやすい」「その場の雰囲気を感じる」といった形で現れます。相手の気持ちを考えて細やかに配慮する、深く共感しながら話を聞くなどいい面がある一方、感じるがゆえに気を遣いすぎる、自分の意見を言えなくなってしまうなど、悩みにもつながります


この悩みって、有名な小説家の悩みと同じですが、誰でしょう?

📌この悩みを感じていたのは太宰治です。
有名な小説『人間失格』はこの悩みの話が中心です。

太宰治がこの『繊細さんの本 』を読んでいたら……
もっと違った文学者になっていたでしょう。

 

いやいや、あのような「みんなが読む本」は書けなかったでしょう。
そういう意味でも世の中には「繊細さん」はたくさんいるのです。

自分も「繊細さん」、あの人も「繊細さん」、あの人も……
そう考えると、気持ちも穏やかになります。

詳しい対処方法がたくさん書いてありますから、ぜひ読んでみてください。

 

【質問】川端康成の『伊豆の踊り子』はどこが面白いのでしょう?

もう川端康成の小説を読む人も少ないかもしれません。

純文学なんて退屈で、ちっとも面白くない。
筋書きも単純だし、「これで終わり?」って感じ。
伊豆の踊り子』は有名だから読んだけど、どこが面白いのかさっぱりわかりません。

 

こんな声が本音でしょう。

今回は川端康成の『伊豆の踊り子』を取り上げて、純文学の面白さについて書いてみます。

 

 

大人になるということ

今年は統一地方選挙なので、街角が選挙用ポスターで溢れています。
選挙に出ているのは、日頃から顔を知っている人。
だから、誹謗中傷も多くなります。
「あの男は、顔はにこやかだが、裏では何しているかわからん」
このような話を、日頃はにこやかな人が言う。
「あの女は、すぐに男に近づいていく」
女性への中傷はだいたいこんなことになります。

 

裏と表、表と裏、何が何やらわからずに月日が経ちます。
「大人になるってことは、こういうことなんだ」
と子ども達が思っても、不思議ではありません。
しかし、子どもたちは、この複雑怪奇な現実を受け入れられない。
こんなことを、受け入れることは「汚い」ことなんだ。
📌大人は汚い……
そうやって、少年は少年のままでいたいと思います。

 

大人が出てきて、
「お前ももう一人前の男だから」
なんていう声を聞くと、「やめてくれ!」と心で叫ぶ。
心で叫びながら、大人の秘密に耳を傾ける……。

 

川端康成の少年期

まあ、私の経験はこんな感じなのですが、川端康成の少年期は大変でした。

  1. 二歳で父親が死亡
  2. 三歳で母親が死亡
  3. 七歳で祖母が死亡
  4. 十歳で姉が死亡
  5. 十五歳で祖母が死亡
  6. 十六歳から寄宿舎で生活

📌まるっきり孤児ではないですか!


そうなんです。川端康成は孤児。
ただ一人の身内もいないのです。

 

伊豆の踊り子』には川端康成の歪んた心がはっきりと書いてあります。

二十歳の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪えきれないで伊豆の旅に出て来ているのだった。

 

川端康成は自分が嫌になって、伊豆に旅に出ました。
その途中で、旅芸人の一行と一緒になったのです。

  

踊り子との出会い

当時の旅芸人は差別されていました。
軽蔑されていました。
川端康成も自分が軽蔑されていると感じていました。
孤児根性が心に巣食っていたのです。

 

出会った旅芸人の中に十七、八と思われる踊り子がいました。
自分が嫌で嫌でたまらなかった川端康成
純粋に接してくれる踊り子。
この旅芸人の踊り子も差別、軽蔑されているのです。
それでも、なお純情な踊り子。
川端康成の心はだんだんと柔らかくなっていきます。

 

有名な、裸で手を振る場面があります。

ほの暗い湯殿の奥から、突然裸の女が走り出して来たかと思うと、✔脱衣場のとっぱなに川岸へ飛びおりそうな格好で立ち、両手をいっぱいに伸して何か叫んでいる。手拭いもない真っ裸だ。それが踊り子だった。✔若桐のように足のよく伸びた白い裸身を眺めて、私は心に清水を感じ、ほうっと深い息を吐いてから、ことこと笑った。子供なんだ。私たちを見つけた喜びでまっ裸のまま日の光の中に飛び出し、✔爪先きで背いっぱいに伸び上がるほどに子供なんだ。私は朗らかな喜びでことこと笑い続けた。頭が拭われたように澄んで来た。微笑がいつまでもとまらなかった。

十七、八と思ったのだが、まだほんの子どもだったのです。


まっ裸で、男に向かって両手をいっぱいに伸して叫ぶほどの子どもだったのです。
裸で、爪先きで背いっぱいに伸び上がるほどに子どもなのです。

 

後で、この踊り子は十四歳だということがわかります。
伸びやかな時期です。

 

再び大人になること

あなたは、大人になることは、裏も表もあること、
清濁併せ吞む……
政治家が使うこのような言葉こそ、大人なんだと思っていませんか?

確かに、浅い純粋さだけにいつまでもすがっているわけにはいきません。
人はさまざまな経験をします。
苦しみ、泣き、笑い、怒り……そうやって毎日を過ごします。
ですから、人生は、
苦しさも、暗さも、何もかもが合わさって、深い湖を作っているのです。


📌深い湖の美しさに、川端康成は気付いたのです。

  • 湖は青く、神秘的。
  • その湖に、一人でボートを漕ぎだしていこう。
  • 二十歳の川端康成は決意したのです。

 

伊豆の踊り子』の最後の場面は船に乗って港を出て行く場面です。涙がぽおぽろ流れます。

「何か御不幸でもおありになったのですか」
「いいえ、今人に別れて来たんです」
私は素直に言った。泣いているのを見られても平気だった。私は何も考えていなかった。ただ清々しい満足の中に静かに眠っているようだった。

 

実はこの「単純な清純さだけではない深み」をテーマにした人がいます。
ヘルマン・ヘッセです。
有名な『デミアン』という小説も一度お読みください。

  

blueskywide151.hatenablog.com

  


伊豆の踊子/吉永小百合

私が好きな場面

次は私が好きな場面です。

大きな息をしている私に
「お掛けなさいまし」と言った。
腰掛けのすぐ横に小鳥の群れが渡って来た。鳥がとまる枝の枯葉がかさかさ鳴る程静かだった。

なんという精細な、なんという純粋な描写だろう。

 

純文学を苦手にしている人も多いでしょう。
まずはこの『伊豆の踊り子』を手に取ってみてください。


胸がキュンとなり、目も潤むかもしれません。
そのためには、日本語をじっくりと味わう、
心の余裕と豊かさ……

 

いや、そんな余裕なんてないよ、という人でも
伊豆の踊り子』はあなたに笑いかけてくれます。 

 

 

【感想】 川端康成『眠れる美女』についてみんなどう思っているのかな?

 

どんでもない内容にびっくり!


先日ドナルド・キーンさんが亡くなって、改めて日本純文学を読み直しています。


横光利一新感覚派の小説もいいですね。

そしていよいよ川端康成

 

最近は太宰治が多かったので、意外と読んでいないんですね。

そこで何の情報もなく、まるで童話のようなタイトルに惹かれて手に取ったのが

 

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📌眠れる美女

これが、どんでもない内容。

びっくり……!



三島由紀夫が、ドナルド・キーンが、

そしてドナルド・キーンの無二の友人の

エドワード・サイデンスティッカーが

大絶賛した、

川端文学の最高峰……

ほんとかい?

正直、私には難しいです。

そこで、Twitterの書き込みを検索してみました。

今後、この『眠れる美女』のブログを書こうと思いますので、参考のためにここに書いておきます。

 

みんなの感想 

 

【話題の本】 犬塚壮志(著)『東大院生が開発!頭のいい説明は型で決まる 』をKindleで読む。

 

世の中を作っているもの。

世の中を形作っているものは何でしょう?
平和な世の中を築くためには何が必要でしょう?

これからの問いの答えは、そう難しくありません。
簡単なことができていないだけなのです。
簡単なこととは何?

📌相互理解です。

お互いが相手のことを理解できれば、多くの問題は解決します。
人間同士まったく理解できることは不可能。
それでも、問題がこじれない程度に理解することは難しくなさそうです。

📌どんな方法が効果的でしょう。

 

自己啓発書や方法論が書いてある本が、私はあまり好きではありません。
なぜなら、もうこの年齢になるんですから、ほとんどのことは経験しています。
このような本を読んでも「そーだよね」以上の感じは受けないのです。

 

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この本の特徴

しかし、📌この本は違っていました。
「どうすれば、わかりやすく説明できるか」
が書いてある本です。


この本には他の本と根本的に違っているところがあります。
それは何でしょう。

 

📌とてもわかりやすいのです。

 

当たり前です!
「わかりやすく説明する方法が」書いてあるのですから、わかりやすいのです。


びっくりするくらいです。
内容はたぶん高度な研究の末の結論でしょうが、難しくないのです。


📌この世は説明で成り立っている。


そうなんです。会社のプレゼンから世界平和まで、

すべては説明です。

説明の無い、世の中はない。

もっと言えば、説明の無い「愛」はないのです。

 

「愛」ってそんな理屈じゃないでしょ!

 

そんなことはありません。

愛って記憶であり、説明です。

 あなたのお気に入りのネクタイ……

 いつも使っているから、汚れてたわ。

 クリーニングに出していたのよ。
 (ネクタイを差し出しながら)

 「やはり、このネクタイが一番お似合いね」

📌愛とは記憶と説明ですね!


血液サラサラ

説明とは、お互いをつなぐ📌「へその緒」です。
中には血が通っています。
狭くなると、栄養が届きません。
血が通って、栄養が行き渡れば、お互いの相乗効果が生まれます。

 

📌詰まった血管にどうしたら血液を流せるか?

 

この本の要点はまさしく、ここ!

みなさん、どう思いますか?

 

一番ポピュラーな方法って、よく聞くでしょ。

そうです!

📌血液をサラサラにする。

それから、

📌老廃物を取り除く。

それもあります!

📌食べ物に気をつける。

なるほど!

📌運動をする。

そうですね。


みなさん、知っているのです。
知ってるけど、やらないのです。継続しないのです。

それって、知らないことと同じじゃない?

 

忘れてもいいよ!

でもね。

この説明の方法は、食事制限も運動も必要ないのです。
だから、簡単です。
どこのあるのかを、知るだけでいいのです。

📌必要な時に思いだせばいいのです。

 

Kindleに入れておけばいつだってパラパラと見ることができますよね。


「じゃ、忘れてもういいですね!」

 

そうなんです。忘れてもいいのです。
Kindleに入っていることだけ知っていればいいのです。
細かい内容は忘れてもいいのです。

簡単でしょう。

まあ、一度読んでみましょう。
一度読んで、役に立ちそうだったら、kindleから削除しない。
いつでも読める状態にしておく。

これでOK!

 

私の説明って、わかりやすかったですか?

 

 

 

【話題の本】大野 正人 (著)『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』をKindleで読む。


親がすすめる本

子どもは素直です。
大人はずる賢い。

それがもっともわかるのが、親や先生がすすめる本。
私の経験からこう思うのです。

私の記憶では最初に手に取った、本らしい本は、伝記。
しかも「ボナパルト・ナポレオン」の物語。
この本はたぶん、親にも先生にも私にすすめた本ではありませんでした。

 

しかし、なんとなく雰囲気で
偉い人の本を読めば偉くなれる、かも……
なんて暗示にかかっていたのも確か。
そうでなければ小学生の前半に、ナポレオンを読んでどうなるでしょう?
ちっとも覚えていないし、なんの役にも立っていない。
でもその時は、「偉くなるんだ!と思いながら読んだのでしょう。

 

その後、30年も経ってから、ナポレオンのことを知るようになります。
フランス革命の意味も、その後の世界に与えた影響も。

あまり大人の悪口を書くのも気がひけるので、弁解すると
親や先生の助言や雰囲気作りのおかげで
📌ボナパルト・ナポレオンのことが不思議に好きになりました。


例えば私の次のような性格を形づけたのです。

  • 民主主義の意味づけは、なんとなくわかる。
  • 金持ちに憧れるより、庶民の生活の方が気になる
  • 夢を語ることが好きになる。
  • 偶然の美を夢見るようになる。

📌「人生には無駄なものは何もない」ということなのでしょう。

 

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『失敗図鑑』に書いてあること

さて、Kindleで『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』という本を見かけたので読んでみました。
これは成功の話ではありません。


📌失敗の話ばかりです。


それにところどころに「お悩み相談」もあります。

難しい漢字にはふりがなが振ってあるので小学生でも読めます。
イラストもたっぷり。
一人ひとりの有名な人に失敗の物語があります。
その失敗談のタイトルは

 

📌「アチャー」

失敗して頭を抱えている有名人のイラストが大きく描かれています。
子どもたちにはとても面白いでしょうし、大人が読んでもスッキリします。


普通に考えると偉人の伝記に書かれていることは成功談ばかり。
実際は伝記の中にも失敗談や苦労した場面もたくさん出てくるのです。
しかし、結局、最後は「大成功!」
そのため、記憶に残るのは「すごい人!」になるのですね。

ところが、実際は違う。


📌失敗もするし、病気にもなる。精神的にも病む。


その弱さを強調した本がこの『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』

 

最後に失敗の例に挙げられているのが

「愛しすぎる」

で、登場人物は「お父さん・お母さん」なのがいい。

 

この本を読んだ子は……

さて、小学生の低学年でこのような本を読んでいたら……
これからは想像ですが……どうなるでしょう?

成績優秀で、中学、高校と有名私立に……

 

そうはならない。
そうはならないけれども、子どもはこの本のことを覚えている。

 

📌実は、読書は、記憶に残るのです。


読んだ本のことは、忘れているようでも、ふと思い出すことがあるのです。

この『失敗図鑑』を読んだ子どもは、この本を読んだことを覚えている。
どんな時に思い出すか……
たぶん、一人になった時、寂しくなった時、悲しくなった時
そんな時に思いだす。
思うことがなくなった時、ふと浮かび上がる。

本ってそんなものでしょ。

このような種類の本でなくても、例えば一冊の小説でも、


何かの時に思い出す。
何かの時とは、虚しくなった時、悲しくなった時です。


そんな時に思い出す。

もし、子どもが大きくなって、普通の中学、普通の高校に入る。
目立った子でもないし、何も得意なことはない。
大部分がそんな子です。
でも、この子どもは小さな時に『失敗図鑑』を読んでいる。

 

読んでいるから、ふと思い出す。
思い出したことなど、誰にも話さない。
自分だけで考えている……

 

きっとそんな子どもがいると思う。
それも一人二人じゃなく。

著者の大野 正人さんは1972年生まれだからまだ47歳。
作者冥利に尽きるね。

大野 正人さんにもきっとたくさんの失敗があったんだね。

 

【感想】志賀直哉の『網走まで』を読む



短い文章

📌短い文章でわかりやすく書く。

ブログの書き方講座・初級編には必ず出てくるフレーズ。

日本を代表する作家・志賀直哉の小説は一つの文章が短い。
それでいて、読みやすく、イメージしやすい。
まるで、ブログの書き方のお手本のようです。

 

ブログ作文教室の教材として最適な小説が、短編『網走まで』
明治41年志賀直哉が26歳の時の作品です。
有名な『白樺』の創刊号に掲載されました。

志賀直哉は写実の名手。
📌写実とは「あるがままを写し取る」書き方。
しかし、これはとても難しいのです。

 

例えば(これは私の即興です)

机の上に箱があります。

ではまったくイメージがわきませんね。

居間の中央には木製の大きなテーブルが置かれている。テーブルの中央に、誰が置いたのか、高さが30センチくらいの真四角な箱があり、側面には暗い波模様が描かれている。窓から差し込む西陽がもう少しで箱に届く。

このように細かく描写すると、雰囲気が出てきます。
まったくの即興ですが、丁寧に細かく書くと不思議な感覚になります。

📌志賀直哉の描写はとてもわかりやすいのです。


写実は芸術か?

みなさん、どう思いますか?
このようなただただ物事を見たままを書くことで、芸術が成り立つでしょうか?
はっきり言って面白いでしょうか。

テーブルの上の真四角な箱の続き……

妙子は、その箱を見て急に悲しくなり「誰でもいいから、ここに来てよ」と思った。

写実ではこうは書かないのです。

悲しくとか、思ったとか、書かないのです。

📌「物に語らせる」のです。

前に書いた描写だけの方が、不思議な感覚を感じませんか?
妙子さんの「悲しさは」、ちょっと強すぎませんか?
物に語らせた方が、柔らかいけど、微妙に深くないですか?

そうなんですね。

ですから、ある場面を切り取った写実はそれだけで、叙情を感じることができるのです。

 

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冬の網走駅


正岡子規の短歌

正岡子規の短歌に

瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり

があります。

見たままをただ描いただけです。
正岡子規はこの短歌を作った時には肺結核で寝たきりでした。
そのことを考えると、この短歌から深い心を感じます。

 

もし、畳にとどいていたら「とどいている」と書いたと思います。
とどいているのに、とどかなかったとは書かない。
これが写実です。

 

若山牧水の短歌に

白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

これは写実のようで写実ではありません。
「かなしからずや」は感情です。

 

📌志賀直哉だったらこうは書かないでしょう。

『網走まで』の書き方

『網走まで』の冒頭の場面を見てみましょう。

鈴が鳴つて、改札口が開かれた。人々は一度にどよめき立つた。鋏の音が繁く聞え出す。改札口の手摺へつかへた手荷物を口を歪めて引つぱる人や、本流から食み出して無理に復、還らうとする人や、それを入れまいとする人や、いつもの通りの混雑である。

 巡査が厭な眼つきで改札人の背後から客の一人々々を見て居る。此処を辛うじて出た人々はプラットフォームを小走りに急いで、駅夫等の「先が空いています、先が空いています」と叫ぶのも聞かずに、吾れ先きと手短な客車に入りたがる。自分は一番先の客車に乗るつもりで急いだ。
 先の客車は案の定すいてゐた。自分は一番先の車の一番後の一 ト間に入つた。

 

短い文章がリズムを作り、読みやすい。
イメージも浮かぶ。自分(主人公)の動き、急く気持ちまで感じることができます。

これが志賀直哉なんだ。

書かなければならない重要な点

ところが……

書かなければならない重要な点があります。
前の文章の後に次の文章が続きます。

「此方へいらつしやい。こちらへ」と戸を開けて待つて居る。所へ、二十六七の色の白い、髪の毛の少い女の人が、一人をおぶひ、一人の手を曳いて入つて来た。汽車は直ぐ出た。

そして、有名な子連れの女性との会話は次のように描かれています。

小時して自分は、
 「どちら迄おいでですか」と訊いた。
 「北海道で御座います。📌網走とか申す所ださうで、大変遠くて不便な所ださうです」
 「何の国になつてますかしら?」
 「北見だとか申しました」
 「そりや大変だ。五日はどうしても、かかりませう」
 「通して参りましても、一週間かかるさうで御座います」

実は小説の中で「網走」の地名が出てくるのは、ここだけです。

 

ここでみなさんに質問があります。

この子連れの女性はなぜ「網走」に行くことになったのでしょう。

  1. 受刑者として網走刑務所に居る夫に会いに行く。夫はまだ赤ちゃんの顔を見たことがない。
  2. 網走という場所をよく知らず、人から「いい仕事がある」と勧められて網走に行く。
  3. どこに行くあてもないのだが、網走という名が浮かんだので、とりあえず答えた。
  4. 写実とは目の前のことそのままではなく、創作でもいい。だから実際はこの女性は「網走に行く」とは言わなかった。作者の想像だ。

 

実は、この『網走まで』は

📌東北線の列車で出会った母と子の様子に、作者の想像を加えた作品

だと言われています。

つまり、問題の答えは「4」だったのです。

 

ここで大いに疑問があります。

📌「それじゃ、写実じゃないじゃないか。空想じゃないか!」

そうなんです。

憤慨するのは当たり前です。

 

📌しかし、ここに文学の奥深さがあります。

真実とはなにか?
芸術とは何か?
私とは誰……? 

 

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